◆福島教会の紹介◆





  

  福島教会は、1886年(明治19年)に創立された改革長老教会の伝統を受け継ぐ教会です。1909年にW.M.ヴォーリズの設計による日本で最初の礼拝堂が建立されましたが、2011年の震災で被災し現在は新しい会堂になっています。創立以降の詳細はにつきましては「沿革」をご覧ください。
 

福島教会の鐘「作新人」

「作新人」の鐘

  福島教会の礼拝堂の鐘楼にあった鐘には「作新人」という名前がついています。これは「キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。」(コリントの信徒への手紙 二 5章17節)に由来するものです。
  この鐘は、口径約50センチ、高さ約48センチ、重量約59キロあり、日露戦争の戦利品を潰した砲金から造られたもので、まさに戦争の武器を平和の鐘としたものです。
  太平洋戦争中、この鐘は軍の命令で供出させられ、全国から集められた金属類とともに溶鉱炉の炎と消えたとばかり思われていましたが、1946年に突然「返還する」との通知がありました。この鐘はアメリカ軍の戦利品の1つとしてワシントンに持ち去られていたのですが、経緯を知ったワシントンの教会の人々が、「なんということをしたのでしょう。この鐘は返さなければ。」と返還運動を行い、アメリカ海軍の手で横浜港に戻ってきたのでした。鐘は米軍の高官と日本基督教団議長らの手によって福島に運ばれ、11月10日に還付記念式が執り行われました。教会員の喜びはたとえようもなく、この模様を新聞は次のように伝えています。
  「なる、鐘がなる、自由と平和のシンボル   鐘がなる、平和の鐘が鳴る、10日朝、福島市民は鳴っては響き、響いては鳴る、優しい鐘の音に空を仰いで聞き入った。聞き馴れた音色なのだ、鐘が戻ってきたのだ・・・」

「作新人」の鐘
  現在、この鐘は、新しく再建された新会堂の塔の中にあり、主日礼拝の開始前に福島の空に鳴り響いています。




震災後のあゆみ 〜私たちを導かれる主〜

  東日本大震災は福島教会に大きな苦難をもたらしましたが、歴史を貫いて御手におさめる神様は嘆き苦しむ私たちをそこから導き出されました。これは私たちにとって出エジプトのような体験であり、この間の一つ一つの出来事は記憶にとどめるべきものとなりました。ここでは献堂までに与えられた主の恵みを中心に記しますが、詳細は「再建の記録」をご覧ください。



在りし日の福島教会外観 在りし日の福島教会内景






  福島教会は2011年3月11日の東日本大震災でヴォーリズの設計による美しい礼拝堂を失いましたが、幸い伝道館は被害を免れ、毎主日に東北改革長老教会協議会から説教者が派遣され、礼拝が守られたことは大きな恵みでした。会堂再建を願いつつもこの小さな群れにそのような大それたことができるのかと私たちは森の木々が風に揺れ動くように大いに揺れました。しかし、神様は私たちを憐れまれ忠実な僕を遣わされました。 



伝道館入口 れんがで書かれた「いのり」






  2011年12月1日に似田兼司牧師が着任し、就任式は2012年2月19日に行われました。その後、3月25日の教会総会において建築検討委員会の設置を決議、5月20日に第1回会堂建築検討委員会が開催され、会堂建築に向けて動き出しました。 



  2012年 12月 

  2012年12月2日、井上とも子氏のチェロと菅野万利子氏のピアノによる復興支援コンサートが行われました。日本基督教団中渋谷教会とユーオーディアによる支援企画です。井上先生には礼拝及びコンサートにおいて、キリストの救いのメッセージをいただきました。打ちひしがれた悲しみの地に美しい音色と祈りの言葉が染み渡りました。
  ちょうどこの頃、福島教会ホームページが作成され細々と公開され始めました。会堂がなくなったからといって教会がなくなったわけではないことを知っていただくため、また新会堂建築を支援してくださる全国の方々に状況をお知らせするためです。



  2012年 クリスマス 

  2012年12月23日、子どもと合同でクリスマス礼拝、祝会を行い、キリストの生誕をともに祝いました。いただいたカードを飾り、祝会ではゲームや歌、ハーモニカの演奏で楽しい時を持ちました。



  2013年 イースター 

  3月31日の復活祭を子供たちとともに祝うことができ、祝福に満ちた喜びの時となりました。礼拝後の愛餐会では皆で恵みの糧をいただきました。また、愛餐会に引き続いて軽妙な大阪弁のトークと歌とピアノによる讃美の石原光世&与野ひかりコンサートが行われました。



  2013年 4月 

  2013年4月21日、中渋谷教会の招きで交流会が行われました。似田牧師が礼拝説教をされ、昼食をはさんで、二人の長老より震災後2年間の体験に基づく歩みが語られ、また証しがなされました。聞き手側からも真摯で熱い思いが話され、主にあって心が通い合うよき交わりの時となりました。



  4月28日 教会総会Uにおいて、会堂建築に着手することを決議しました。この年はその後、会堂建築検討委員会が中心となって会堂建築へ向けて検討を進め、幾たびか開催された教会協議会によって会員の声をまとめあげていく一方、礼拝や礼拝堂について何度か信徒講座を行い学びの時をもちました。それにより形あるものは必ず滅ぶが私たちが目指すのは決して滅ぶことのない御国であるということを意識することができるようになりました。



  2013年 6月 

  2013年6月30日、特別伝道礼拝にて、中渋谷教会の及川信牧師により、神による福島教会の再興という力強い御言葉が語られました。午後は井上とも子氏のチェロと奥山初枝氏のピアノによる復興支援コンサートが行われ、98名の来場者で伝道館は静かな熱気に包まれました。一同、福島への慈しみに満ちたチェロとピアノの絶妙な演奏に聴き入りました。演奏に先立ち似田牧師は超満員の聴衆を前に新会堂の建築への着手を宣言し、ここに教会堂の建築開始が市民にも告げられました。 



超満員の伝道館 魂を揺さぶる演奏







  2013年9月末、一粒社ヴォーリズ建築事務所 東京事務所と会堂建築の設計監理業務委託契約を結び、新会堂の建築に関わる日程を決めました。おおよその日程は、平面図の確定後基本設計に入り、2014年年明けのの実施設計承認後に施工業者を決め、5月頃起工式、11月頃の竣工という予定でした。



  2013年 クリスマス 

  2013年12月22日のクリスマス礼拝は、多くの子供たちやご家族とともに守られ、恵みに満ちたものとなりました。たくさんの差し入れで豊かな糧をいただき、祝会ではチーム戦の御言葉ビンゴゲームや歌、ハーモニカの演奏、また会員ご家族の飛び入りによる手話指導でクリスマスソングを歌い楽しい時を持ちました。



  2014年 イースター 

イースター礼拝の朝   4月20日、イースター礼拝を子どもたちと合同で守りました。イエス様の復活を信じられなかったトマスが、イエス様と出会い「わが主よ、わが神よ」と答えて主の復活を信じるものとされた場面から御言葉を聴き、ともにイースターを祝いました。


  この日は愛餐会の後、教会総会U、および設計士さんを迎えての教会協議会もあり、希望に満ちて新会堂建築の年度を開始しました。この後、施工業者の選定が難航したり建築資材の高騰等の問題がありましたが、主の御手に守られ歩むことができました。 



  会堂建築支援コンサート

  4月27日、中渋谷教会にて、「福島教会会堂建築支援コンサート」が開催されました。似田牧師が朝の礼拝説教を行い、また昼食後二人の長老から、震災後3年の道のりと会堂建築について報告がありました。
   午後2時から、小薗江涼子さんの伴奏による井上とも子先生のチェロのコンサートが開催されました。「主はあなたに命を与え、御手を伸べて待っておられる」というメッセージと共に、会場は優しさと力強さに満ちた深いチェロの音色に包まれました。



  会堂建築着工へ

  5月26日、施工業者と会堂建築の契約を行い、いよいよ6月1日より着工の運びとなりました。 
  6月8日 ペンテコステ礼拝の午後、天候にも恵まれ起工式が執り行われました。待ち望んだ会堂建築の着工を神様に深く感謝しました。 


起工式で話される似田牧師 記念撮影








  起工から3か月

9月中旬の建築状況   土台の基礎工事が終わりました。雨による遅れもあり、完成予定は12月20日となりましたが、柱が立ってからは目に見えて工事が進捗していきました。日ごとに建ちあがっていく会堂を目の当たりにし、教会員一同、畏れつつ神に感謝し、喜びに満ち溢れた日々を過ごしました。


  起工から5か月

  神様のお守りのうちに教会堂の建築工事が進み、10月には茜色の屋根に十字架が立ちました。また、伝道館でこの時を待っていた「作新人の鐘」が鐘楼に取り付けられました。
  こうして感謝と祈りをもって完成を待つという恵みの時を与えられました。なんと幸いなことでしょうか。献堂式は福島の気候を考慮し、3月21日(土・祝日)に行うことが決まりました。


  新会堂竣工

玄関前車寄せ   新会堂の工事は12月20日に完了し、22日の検査確認終了後、引き渡しが行われました。
  12月24日のクリスマスイヴ礼拝から新会堂での礼拝が行われ、主イエスの御降誕を祝う喜びにさらに恵みが増し加わりました。これまで私たちをお支え下さった神様と全世界の主にある兄弟姉妹に心からの深い感謝を捧げました。


  2014年クリスマスイヴ礼拝

夕暮れの教会堂 説教「ここに愛がある」







  新会堂になって初めての主日は、2014年最後の日曜12月28日でした。礼拝後に、講壇に置かれている説教台、洗礼盤、聖餐卓の意味や囲み型の礼拝堂の作りについて学び、これから使わせていただくにあたって心の備えをしました。1月1日は元旦礼拝および新年祈祷会によって2015年をスタートし、御言葉と祈りにより神様に導かれる1年となるよう願いました。


十字架を見上げて   震災より4年になる2015年の3月に、新会堂をお献げできます御恵みに感謝し、喜びに満ちて献堂式の準備を進めました。また、東北教区主催の「3・11東日本大震災4周年記念礼拝」に福島教会が用いられたことを心より感謝致しました。



  2015年3月 献堂式

献堂式   3月21日、これ以上ない好天に恵まれ、遠方よりご参集くださった方々を含め143名の出席で献堂式が行われました。会堂を与えてくださった主の御名を崇め、兄弟姉妹ともどもに献堂の喜びに与りました。



  2015年イースター

  4月5日、この日予定されていた墓前礼拝は雨のため礼拝堂で行われ、天の国に召されている信仰者と共に神を崇める礼拝をささげました。引き続いて「死人を生かす神の力」という題で、似田牧師よりイースター礼拝の説教をいただき、主の復活を喜び祝いました。転入会式も行われ、多くの子供たち、また福島に立ち寄る機会を得た方々が集ってくださり、ともに礼拝を守れましたことは大きな祝福でした。 



  2015年9月、10月 献堂記念礼拝

  9月、教団伝道推進室企画の伝道キャラバンが福島を訪れ、福島教会では9月13日(日)に教団総会議長の石橋秀雄先生による献堂記念礼拝が行われました。(説教題は「喜び踊れ〜苦難を喜びに変えたもう主 〜」) また10月18日には東京神学大学後援会より神代砂真実先生をお遣わしいただき、「空虚ではなく」と題して特別伝送礼拝が行われました。両日とも新来者が豊かに与えられ、まことに大きな恵みの日となりました。礼拝や地区集会等に用いられる会堂が与えられておりますことにあらためて心より感謝致しました。  



  2015年クリスマス

イブ礼拝   新会堂が完成してちょうど1年のこの時、12月20日にクリスマス礼拝を、24日にイブ礼拝をおこない、福島市民、教会員家族、友人、知人、遠方の旧会員こぞって大人も子供もともどもに、神のひとり子にして我らの救い主であるイエス様の誕生を祝いました。



  2016年3月 献堂一周年記念の礼拝とコンサート

  献堂式から1年の3月20日、「神のみ業が現れるため」と題して献堂一周年記念礼拝が行われました。礼拝の中でチェロとピアノの伴奏により歌われた「讃美歌21」451番(アメージング・グレイス)の歌詞 「思えば過ぎにし すべての日々 苦しみ悩みも またみ恵み」そのままに、 苦難の日々が喜びの涙に変えられました。

チェロとピアノのコンサート   午後は中渋谷教会の支援により、井上とも子先生と菅野万利子さんによるチェロとピアノのコンサートが開催されました。 教会員の家族、友人、知人のみならず、多くの福島市民が集い、新会堂いっぱいに響くその優しい音色とすばらしいハーモニーに圧倒されました。お二人は2011年12月の初回公演以来ずっと、福島への慰めを祈りその復興に寄り添ってくださいました。「世界の車窓から」のような楽しいチェロ曲も演奏されましたが、ユダヤ人の熱い望郷の想いをこめた「黄金のエルサレム」では、まだあるべき場所に戻れない方々の現状を覚えました。井上先生は演奏とともに、「どのような方に対しても主は手を広げて待っておられること、その愛の手に触れるためにここに教会があること」を話されました。最後に似田先生ご夫妻に贈る「神ともにいまして」のサプライズ演奏があり幕となりました。一年を通して多くの兄弟姉妹が福島教会を訪れ献堂の喜びを共にしてくださいましたが、再建された礼拝堂で市民の方々とも喜びを共にできましたことを、慈しみの神様にあらためて感謝致しました。



  2016年イースター

  3月27日、春の日差しの中、信夫山の教会墓地にて墓前礼拝をおこなった後、会堂にてイースター礼拝が献げられました。新会堂になって初めての受洗者(2名)が与えられ、二重の喜びとなりました。一方、この日は福島教会で似田牧師が説教をなさる最後の日であり、愛餐会では別れを惜しみ、4年4か月にわたる信仰のお導きと牧会に対し各人から深い感謝が述べられました。神様によって遣わされ、会堂再建という大きな働きを終えて戻られるご夫妻の健康が守られ、これからの日々に神様の祝福が豊かにありますようお祈り致しました。 




  2016年4月 保科隆牧師着任

  2016年4月、保科隆牧師を迎え、新年度の歩みを始めました。

牧師就任式  保科隆牧師の就任式は、5月22日(日)午後、教団、教区、地区ほか多くの参列者のもと、東北教区総会議長の小西望牧師の司式により執り行われました。 





  2016年9月 修養会の開催

修養会   9月25日の礼拝後愛餐会をもち、午後から「教会の葬儀について」というテーマで修養会を行いました。始めに、日本で生きるキリスト者は人生の最期の時をどう迎えるべきかについて、保科牧師がこれまでの体験を踏まえながら話され、教会の葬儀は礼拝であることが語られました。
  質疑応答の時間は、具体的な手順ほか様々な疑問、家族やお墓の問題、召天者記念礼拝、分骨等、多岐にわたるざっくばらんな質問の場となり、2時間の修養会が終了しました。
  献堂より1年半、ようやく修養会を行える落ち着いた環境が整えられ、キリスト者として葬儀について考える時が与えられましたことは本当に感謝でした。




  2016年 クリスマス

修養会   12月25日の主日礼拝は待ち望んでいたクリスマス礼拝としてささげられました。礼拝説教では、保科牧師より、ルカによる福音書2章のシメオンの言葉からまことの救い主に出会う喜びが語られました。私たちの日々には世の試練がありますが、命ある限り主の宮なる教会にて主を礼拝する幸いが与えられますことを心から願いました。またこの礼拝において、主の聖餐に与り大きな恵みをいただきました。 
  礼拝後の愛餐会ではおいしい昼食を共にしながら、腹話術や楽器の演奏、ダンスや賛美など、クリスマスの喜びにあふれた楽しい時を過ごしました。穏やかな天候に恵まれたこの日、すべてを神様に感謝いたします。 



  2017年 3月9日 祈祷会

修養会   好天に恵まれたこの日、中渋谷教会より及川信牧師、眞理子ご夫妻をお迎えして、「震災から6周年を覚えて」祈祷会が行われました。中渋谷教会とのつながりは、及川牧師が、新幹線復旧直後の4月28日に福島教会を訪れ、祈祷会で奨励してくださったことに始まりました。以来、「顔の見える支援」として、井上とも子先生のチェロコンサートや当日朝の特別伝道礼拝の説教、また中渋谷教会に於ける親しいお交わり等を通して、常に元気づけられ、主にある兄弟姉妹としての恵みを与えられてきました。
  新会堂完成間近なころ及川牧師が病を得られたため、再建された新会堂を見ていただけたのはこの日が初めてでした。震災から6年目となるこの日の祈祷会では、保科隆牧師の創世記の説き明かしの後、けい子牧師をはじめ12名の福島教会員と及川牧師ご夫妻が祈りを合わせました。祈祷会後は、昼食を共にしながら歓談し、この6年間のあれやこれやを語り合い、主にある豊かな交わりの時となりました。
  これまでのすべての道のりを心より神様に感謝し、4月からの新たな赴任地での及川牧師ご夫妻のお働きの上に、神様の御祝福を祈ります。